※本記事はアフィリエイト広告を含みます。
書店員さんが「いちばん売りたい本」を投票で選ぶのが本屋大賞。2026年(第23回)は一次投票でノミネート10作が決定し、二次投票は3月1日まで/大賞発表は4月9日予定です。
ここでは、いま読めば“受賞発表を待つ時間”まで楽しくなるよう、10作をあらすじ付きで紹介します。
ノミネート10作品(五十音順)あらすじ紹介
1)暁星(湊かなえ)
全国的な式典の最中、現役大臣でもあり“文壇の大御所作家”でもある人物が刺殺される。逮捕された男・永瀬暁は、事件後に週刊誌へ手記を発表しはじめ、そこには新興宗教への強い恨みが綴られていた。さらに、式典に居合わせた作家がこの事件を“小説”として描こうとすることで、ノンフィクションとフィクションが並走し、真実の輪郭が揺らいでいく。読者は「正義」と「物語」の境目を試されるような一冊。
2)ありか(瀬尾まいこ)
シングルマザーの美空は、娘のひかりを慈しみ育てながらも、自分の母親との関係に悩んでいる。離婚後も気にかけてくれる元夫の弟・颯斗(同性が好き)との距離感も、家族のかたちを静かに揺らす。日々の暮らしの細部から「愛はどこにあるのか」をすくい上げ、読み終わる頃には“支え”が手のひらに残るタイプの物語。
3)イン・ザ・メガチャーチ(朝井リョウ)
アイドル運営に関わることになった男、心労を癒したい繊細な大学生、舞台俳優を応援していたが報道で世界が一変する女――。「仕掛ける側/のめり込む側/かつてのめり込んでいた側」という立場の異なる3視点で、“物語が人の心を動かす”ことの功罪を描き出す。推し活やファンダムの熱、その裏の孤独や依存まで射程に入る、現代の温度が濃い群像劇。
4)失われた貌(櫻田智也)
山奥で発見された遺体は、顔を潰され、歯を抜かれ、手首から先を切り落とされていた――徹底した“身元隠し”。事件報道ののち、所轄署に小学生が訪れ「それは自分の父かもしれない」と訴えるが、捜査は思わぬ方向へ転がっていく。さらに新たな事件も重なり、「誰が、なぜ、誰を」が二転三転。読後にタイトルの意味が反転するタイプの本格ミステリ。
5)エピクロスの処方箋(夏川草介)
将来を嘱望されながらも、甥のために地域病院で働く内科医・雄町哲郎。ある日、大学准教授から難しい症例が持ち込まれるが、その患者は、かつて哲郎が対立した“大学病院の絶対権力者”の父だった。医療の現場で突きつけられる問いは、治療の技術だけでは答えが出ない。命と幸福、正しさと救いをめぐる“哲学エンタメ”として読ませる。
6)殺し屋の営業術(野宮有)
営業成績トップの凄腕営業マンが放り込まれた先は、なんと“殺し屋”の世界。課せられたノルマは2週間で2億円、達成できなければ地獄行き――理不尽すぎる条件の中で、営業テクニックが異様に冴えわたる。常識外れの設定なのに、読み進めるほどロジックが積み上がっていく“ジェットコースター・ミステリー”。
7)さよならジャバウォック(伊坂幸太郎)
結婚後、妊娠と転勤を境に夫が別人のように冷たくなり、暴言と暴力に耐え続けた量子。ある日、浴室で倒れている夫を前に「夫は死んだ。私が殺した」と思い詰める――しかも息子の帰宅が迫っている。そこへ大学時代の後輩が現れ、「問題が起きていますよね」と踏み込んでくる。家庭の密室から始まる“異物の侵入”が、状況を一気に攪乱する長編ミステリー。
8)熟柿(佐藤正午)
激しい雨の夜、眠る夫を乗せた車で老婆を撥ねたかおりは轢き逃げで服役し、獄中で息子を出産する。出所後、息子に会いたい一心で事件を起こし、接見を禁じられた彼女は“追われるように西へ”流れていく。罪を隠して生きるほど、人生は静かに追いつめてくる。やがて明かされる過去の秘密が、読者の見ていた景色を塗り替える重厚作。
9)探偵小石は恋しない(森バジル)
ミステリオタクの探偵・小石は、名探偵のような華麗な推理案件に憧れているのに、現実の依頼は不倫・浮気調査ばかり。なのに彼女が仕事を続けるのは、ある理由から色恋調査が“病的に得意”だから。相棒的な相談員・蓮杖と日々の調査を重ねるうちに、裏で進行する“思いもよらない事件”が姿を現していく。軽快さと本格の切り替えが効いた一冊。
10)PRIZE―プライズ―(村山由佳)
「どうしても直木賞が欲しい」――人気作家・天羽カインの執念と、彼女を担当する出版人たちの葛藤を描く。賞は栄誉であり、同時に市場の熱でもある。作家の欲望、編集者の責任、業界の力学が絡み合い、“書くこと/売ること/選ばれること”の残酷さと眩しさがむき出しになる。出版の舞台裏が好きな人ほど刺さる群像劇。
まとめ|大賞発表前の“今”こそ、10作から運命の1冊を選ぶ時間
2026年本屋大賞ノミネート10作は、ミステリー/家族小説/現代の熱狂(推し)/仕事と業界の裏側/重厚な人生ドラマまで、読書の温度がまるごと揃ったラインナップでした。
同じ「小説」でも、刺さり方は人それぞれ。だからこそ、発表前に読んでおくと、「自分の大賞」を先に見つける楽しさがあります。それでは、良い読書体験を。


コメント