あらすじ
住野よる『恋とそれとあと全部』は、恋愛だけでは言い切れない感情と、「死」という避けられないテーマを、驚くほど繊細に描いた青春小説です。物語は、高校生のめえめえとサブレが、サブレの祖父の家に二人で泊まりに行き、自殺した人の家族の話を聞くことから動き出します。その時間のなかで二人は、誰かを好きになることの意味や、失うことへの怖さ、自分が生きていることの重さを少しずつ見つめていきます。
感想
この作品の魅力は、恋愛をただ甘く描かないところです。
サブレの少し遠回りな性格も、めえめえはちゃんお見ている距離感が好きでした。好きという気持ちは綺麗なだけではなく、不安や戸惑い、言葉にしきれない揺れを連れてくる。その一方で、死についても大げさに語るのではなく、日常のすぐ隣にある現実として静かに差し出してきます。だからこそ、登場人物たちの心の動きがとてもリアルで、読んでいるこちらの胸にも深く残ります。
でも、ちゃんと甘酸っぱい。
恋愛小説としても、青春小説としても、そして“生きること”を考えさせる物語としても読める一冊です。恋と死という重い題材を扱いながら、どこかやさしく、でも確かに心を揺らしてくる作品を探している人におすすめです。


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