熱狂は信仰になる——『イン・ザ・メガチャーチ』が描く“推し活”時代のリアル

レビュー

『イン・ザ・メガチャーチ』とは

イン・ザ・メガチャーチは、朝井リョウが描く「推し活」をテーマにした長編小説。そして、作家生活15周年記念作品。すごいです。
アイドル、俳優、物語——誰かや何かを“信じ、支える”という行為が、現代ではどのような意味を持つのか。本作はその熱狂の構造を、極めてリアルに、そして容赦なく描き出す。

「好き」という感情は、人を救うこともあれば、簡単に縛りつけてもしまう。
この作品は、その境界線を読者に突きつけてくる。

Amazon.co.jp: イン・ザ・メガチャーチ (日本経済新聞出版) 電子書籍: 朝井リョウ: Kindleストア
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あらすじ|三人の“信じる側”の視点

物語は、立場も年齢も異なる三人の視点で進んでいく。

かつて脚本家を志していた47歳の会社員・久保田慶彦。
内向的な大学生で、新人アイドルに心を寄せる武藤澄香。
そして、人気俳優を強く信仰していた隅川絢子。

彼らの人生は交差しながら、「推す」「信じる」「物語を与える/受け取る」という行為が、いかに人の価値観や現実を塗り替えていくかを浮き彫りにしていく。

読みどころ①|“推し活”の光と影を描くリアリティ

本作の最大の魅力は、推し活を美化しすぎない点にある。
応援する喜び、救われる感覚、仲間意識。
一方で、依存、思考停止、排他的なコミュニティ。

どちらも現実に存在するものとして描かれ、「これは他人事ではない」と気づかされる読者は多いはずだ。

読みどころ②|タイトル「メガチャーチ」の意味

“メガチャーチ”とは、巨大な信仰共同体。
本作では、アイドルや俳優、物語そのものが「信仰の対象」となり、そこに人が集い、価値が生まれていく構造を象徴している。

価値は最初からそこにあるのではなく、
信じる人が増えた瞬間に、巨大化する。
この視点は、現代社会そのものを見ているようでもある。

読んでみた感想

熱狂できることの喜び、視野が狭くなることの恐怖を感じました。孤独に関する解像度も高く、確かに推し活とは切り離せない部分ですね。人生についても考えさせられる作品だと思います。推し活に興味ないがない人にもぜひ読んでいただきたい作品です。

こんな人におすすめ

  • 推し活・ファンダム文化に興味がある
  • 朝井リョウ作品が好き
  • 人の「熱狂」や「信仰心理」を描いた作品を読みたい
  • 読後に考えさせられる小説を求めている

娯楽としても、思考の材料としても強度の高い一冊。

まとめ|「好き」は、どこまで人を連れていくのか

『イン・ザ・メガチャーチ』は、
「あなたは何を信じて生きていますか?」
という問いを、静かに、しかし確実に投げかけてくる。

推しがいる人も、物語が好きな人も、
きっとどこかに“自分の影”を見つけてしまうはずだ。

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